【気になる!アレコレ調査隊】パタゴニアのテクニカルフリース、R1・R2総ざらい解説!
商品に対する素朴な疑問や選び方ついて解明する企画、"気になる!アレコレ調査隊"第3弾です。今回も執筆はおしおさんが担当します。
今回はパタゴニアのレイヤリングの要であるミドラーシリーズのR1R2について、それぞれ特徴を見ていきたいと思います。
秋冬シーズンの登山は行動中と休憩時の体感温度の差が激しく、ミドラーの選択がキモとなります。
パタゴニアのR1、R2シリーズが気になっているけど、種類が多くてどれを選べばいいか分からない、という方の参考になれば幸いです。
目次
Rってなんのこと?
シリーズ一覧(2024年最新)
R1シリーズの比較
R2テックフェイスについて
R1テックフェイスとR2テックフェイスの比較
着用イメージ
大人用とキッズの比較
キッズモデルを大人が着ると
キッズモデル一覧
ウィメンズモデル一覧
選び方
Rってなんのこと?
そもそもR1とR2のRとは"レギュレーター"のこと。調整という意味を持つ単語です。
上述したように登山ではウェアのレイヤリングによる体温調節が不可欠。基本的にはアウター、ミドラー、ベースの3つで構成され、ミドラーの役割を果たすのがレギュレーターシリーズです。
Rの後ろに続く数字は保温レベルを表しており、数字が大きいほど保温力が上がります。過去にはR3、R4も存在していました。
レイヤリングについては山食行路の富士山編でも解説しています。
シリーズ一覧
こちらが今期のシリーズ一覧です。
(↑クリックで拡大)
メンズではR1が4種類あり、形違いで合計9品番、R2が1種類の2品番です。
フードの有り無しを選択できるモデルがほとんどです。
そして今年から新たにR1サーマルが仲間入りしました。
R1シリーズの比較
まず見た目はこんな感じです。
R1エア
R1サーマル
R1テックフェイス
R1無印
R1の4種について、パタゴニアはそれぞれ以下のように説明しています。
R1エア
最も優れた通気性
独自のジグザグ構造で仕上げた中空糸が温かさを閉じ込めながら余分な熱は発散。
R1サーマル
最も優れた保温性
丈夫な外側は軽度の悪天候に対応し、マイクログリッドの内側は非常に温かくソフトな肌触り。
R1テックフェイス
最も優れたプロテクション
頑丈な外側の素材が摩擦や悪天候に対応する機能を向上。
R1無印
最も多用途型
あらゆるテクニカルなアクティビティに通気性と吸湿発散性を提供するグリッド・フリース。
生地の表面
生地の裏面
R1エアはエアという名前の通り、通気性が最も高いモデルです。フリースがジグザグと配置され、裏表同一の一枚生地で空気の抜けが良いです。
R1サーマルは保温性に優れるモデル。表面はなめらかな手触りの素材で風を防ぎ、裏面はみっちりマイクロフリースです。ですがよく見ると細か~いグリッド構造になっており、蒸れを逃がしてくれます。
R1テックフェイスの表面は摩擦や小雨に対応する安心感のある手触りであるのに対し、裏面はメッシュとフリースのグリッド構造。フリースは平たく、暖かそうな印象は受けません。ただこの薄さが気温の微妙な時期に絶妙なんだとか。
R1無印はテックフェイスと構造が似ていますが、テックフェイスより裏地のフリースがふっくらとしています。最も多用途型と謳われるとおり、愛好家多数の歴史のあるモデルです。
テックフェイスと異なり、表面に撥水加工は施されていません。
またフルジップタイプは無く、プルオーバー2種(スタンドネックorフーディー)のラインナップです。
保温性↔通気性の順に並べてみるとこんな感じです。
R2テックフェイスについて
続いて、R2を見ていきましょう。
R2はテックフェイス一種のみ。首回りはスタンドネックかフーディーかの選択肢があります。
R2はR1より保温力が高い=分厚いモデルです。
表と裏はこのようになっています。
表面は多少の雨ならはじいてくれるソフトシェル。裏面は毛足の長い暖かなフリースです。フリースに隠れてはいますがメッシュ部分もあり、通気しないというわけではありません。
寒冷化での使用や寒がりの方には頼りになるモデルです。
私もこちらを持っていますが(昨年まではウィメンズにもR2テックフェイスがありました。)、10月や11月の登山には少し持て余す保温性だと思います。ただテントで夜を越すのであればその限りではありません。
R1テックフェイスとR2テックフェイスの比較
R1とR2のテックフェイスジャケット同士を並べてみました。グリーンがR1、ブラックがR2です。
ぱっと見た感じではR1は胸ポケット無し、R2は左胸にポケットあり。R1は前後で着丈が異なるというのもポイントですね。
並べてみると裏面のフリースの違いが一目瞭然です。腰にある左右のポケットは両方ジップ付きですが、R1は生地が薄い分すっきりとした作りのようです。畳んで比べてみると厚みがまったく違うことが分かります。しょうがない点ではありますがR2はバッグの中でなかなかかさ張ります。
着用イメージ
例によって南中さんに着用してもらいました。
こちらの写真のシャッターを切ったのは私ですが、ブレブレで恐縮です。ヘヘ…
R1エアは撮影当時Lサイズしか在庫が無かったためやむなく本来より大きめです。ぴったりサイズだと裾は広がらないシルエットです。
ただSサイズでもやっぱり少し袖が余りますね。
保温性に優れるサーマルは身体に沿うようなフィット感でソフトで伸縮性のある着心地です。
テックフェイスは表面がソフトシェルのイメージで、なめらかなサーマルに対して少しハリのある生地です。
横向きで比較すると、サーマルとテックフェイスではスタンドネックの高さが微妙に異なることが分かります。テックフェイスはプロテクトに優れるモデルとして首から雨や風が入りにくいデザインになっているという訳ですね。
R2テックフェイスはR1テックフェイスのフリースをハイロフトにしたイメージです。
今回はフーディとクルーしかないエア以外はスタンドネックタイプを着用してみました。ミドラーとして使用するなら、アウターのフードと干渉しないフード無しが良いのではないかと思います。
大人用とキッズの比較
大人品番とキッズ品番も比べてみました。キッズはXXLサイズまで展開しているので女性必見です。
R1エアフルジップフーディとR2テックフェイスフーディが大人とキッズそれぞれで展開されています。
R1エアフルジップフーディ
R2テックフェイスフーディ
嬉しいことに、ネガティブな違いはほとんど見当たりませんでした。R2のほうは胸ポケットの数が違いますがさほど重要なポイントではないでしょう。
首元の高さが異なることと、キッズには大人品番には無いサムホールがありました。え~大人にも付けて欲しいですよねこれ。
キッズモデルを大人が着ると
身長156cmの私がキッズのXXLサイズを試着してみました。
ジャストフィットと言っていいほど、しっくりくるサイズ感でした。サムホールがある仕様なので元々袖は長めの設計です。
特にR1エアは柔らかい着心地で伸びも良く、もう脱ぎたくない…ずっと着てたい…という気持ちに。普段着としても人気が高い理由が分かります。
パタゴニアのウィメンズ商品はいつもSサイズを選んでいますが、ウエストがシェイプしていて少し窮屈なのと、袖が余ってしまうのがいつも気になっていましたがキッズモデルならとても心地よく着用できました。
キッズモデル一覧
XXLサイズは女性にもおすすめと言っておきながら、すでに完売しており、、今後運よく入荷する可能性も無きにしもあらずですのでぜひお気に入りに保存しておいてください。
ウィメンズモデル一覧
ナチュラムではお取り扱いしていませんがR1無印とR1サーマルのプルオーバーモデルも展開されています。
選び方
Rファミリーについてざっとお分かりいただけたと思います。
(R1ファミリー)
冬山登山をされる方、かさ張ってもいいからとにかく保温力を重視したいならR2。
春や秋の登山でフリースも持っておきたい、という方はR1サーマル、もしくはR1。
(R1はフルジップモデルが無いので羽織りタイプが良いという方はサーマルを)
ソフトシェルのように使用したい方はR1テックフェイス。
汗っかきの方やハードに動きたい時はR1エア。
これまでのR1の保温力では心もとないと感じていた方にはR1サーマルというニューカマ―は嬉しいですね。着心地もソフトでよくストレッチするので動いていてまったくストレスがありません。
R1の中では一番の保温性ですが、R2も含めて比較するとかなりバランスの良いアイテムなのではないかと思います。すっきりしたシルエットでアウターにも響きません。
最後までお読みいただきありがとうございます。
商品ページでの画像や説明文ではいまいち伝わりにくかったR1R2についてまとめてみました。商品選びの一助となれば幸いです。
よい登山ライフを!